研究内容
光および放射線を空間的・時間的に制御し、誘起される励起分子化学を基盤として、分子・反応場の立体的・時間的・電子的・構造的・化学的性質を利用した反応制御化学の研究を行っている。ナノ秒~フェムト秒レーザーフラッシュフォトリシス、パルスラジオリシス、時空間分解一分子蛍光顕微鏡などを使用して、以下の研究を推進している。
- 1. 多波長多レーザー多段階励起法を用いた励起分子化学
2. 光触媒
3. 一分子レベル生体分子分析・診断手法開発
4. 生体分子の構造変化・化学反応ダイナミクス
5. 光・放射線を用いたバイオサイエンス
Topic 1
「光および電子ビームによる高活性励起状態化学」
液相および固相中での励起反応制御には前駆体となる励起状態の制御が不可欠であることから、光または電子ビームを時間・空間的に制御して照射することで高活性な励起状態の分子・物質化学を検討している。超高速分光を主たる測定手段として、分子・物質の高励起状態特有のダイナミクスや反応性などの基礎的な物理化学を明らかにするとともに、電荷移動ダイナミクスに基づく光触媒活性の向上など応用面への展開を図っている。
Topic 2
「光・放射線を使って生命のしくみを解き明かす化学技術の創出」
光・放射線によって、生体をイメージング・制御する革新的な化学技術の開発を目的とします。光化学反応・放射線化学を自在に利用し、光機能性ハイブリッド分子・材料を設計・合成することで、生物イメージング手法や光操作法の開発を行い、エネルギー変換材料の開発や、生物イメージングや光により機能を操作できる手法を開発することで、バイオサイエンスへの応用研究を展開します。